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文例

知的障害のサービス等利用計画の書き方と文例20選|意向・目標・サービス内容の記入例

知的障害のケースに絞ったサービス等利用計画の書き方と、意向・ニーズ・目標・サービス内容のコピペ可能な文例20選。本人の言葉の活かし方や意思決定支援、親亡き後を見据えた全体記入例まで解説します。

知的障害のある方のサービス等利用計画では、「本人が何を望んでいるか」を言葉だけに頼らず読み取ることが、書き出しのいちばんの難所になります。言葉での表現が得意でない方も多く、家族が長く支えてきたぶん、意向欄が家族の言葉で埋まってしまう——そんな計画は、運営指導でも「本人の意向が汲み取れていない」と指摘されがちです。

この記事では、知的障害のケースを担当する相談支援専門員に向けて、意向・目標・サービス内容の書き方のポイントと、そのまま参考にできる文例20選(意向・ニーズ7例/長期・短期目標7例/サービス内容・留意事項6例)、さらに親亡き後の移行期を想定した全体記入例1ケースをまとめました。

知的障害の計画で押さえたい3つの視点

文例に入る前に、知的障害のケースで意識したい視点を3つだけ確認します。

① 本人の言葉・サインから意向を読み取る

意向は、はっきりした言葉で語られるとは限りません。言葉が短い方でも、「何を選ぶか」「何を避けるか」「どんな場面で表情がやわらぐか」に意向は表れます。聞き取れた本人の言葉はそのまま残し、言葉が少ない場合は観察できた事実(選んだ活動、落ち着いて過ごせた場面など)を根拠に意向を書き起こします。

② 意思決定支援 — 決めるのは本人

「本人には難しいから」と支援者や家族が先回りして決めてしまうと、本人が決める経験そのものが失われます。写真や絵カード、体験してみる機会などで選べる形にして示し、本人が決められるように支えるのが意思決定支援です。計画には「本人が選べるよう〜する」という支援を具体的に書きます。

③ 家族依存からの自立(親亡き後を見据える)

長く家族が支えてきたケースでは、家族が高齢になったあとの暮らしが大きなテーマになります。今できていることを家族任せのままにせず、本人が家族以外の人・場所とも関係を持てるよう、早めに少しずつ広げていく視点を計画に織り込みます。急がず、本人のペースを最優先にするのがコツです。


欄別の書き方ポイント(知的障害で特に意識すること)

意向欄|本人の表現をそのまま活かす

本人の言葉は、専門的な言い回しに置き換えすぎず、できるだけそのまま残します。「おうちにいたい」を「在宅生活の継続を希望」と要約すると、本人らしさが消えます。本人の意向と家族の意向は必ず分けて書き、両者が違っても無理にそろえません。

目標欄|スモールステップで「できた」が分かる形に

大きな目標をそのまま置くと、達成が遠く、モニタリングでも判断できません。小さな段階に区切り、数・頻度・場面を入れて「できたか」が分かる形にします。「できないこと」を並べるのではなく、「〜があれば〜できる」「〜を〜回できる」と、本人のできる姿で言い切ります。

サービス内容欄|できることを奪わない支援量にする

過剰な介助は、本人の「できる」を減らします。 本人ができる工程は本人に残し、必要な部分だけを支援する——この考え方でサービスの内容と量を決め、「なぜこの量が必要か」を書き添えると、支給決定の根拠にもなります。基本は「代行」より「一緒にやる」支援です。


知的障害のサービス等利用計画 文例20選

生活状況(家族同居/グループホーム/独居への移行期)×サービス(就労継続支援B型/生活介護/居宅介護/行動援護/短期入所)で散らして並べています。そのままコピペし、太字にあたる本人の言葉・具体的な場面・数字を、目の前の利用者に置き換えて使ってください。時期・回数は一例です。

意向・ニーズの文例(7例)

アセスメントで聞き取った本人の言葉・様子を、①意向欄への記載、②解決すべき課題(ニーズ)にどう変換するかを示します。

# 本人の言葉・様子 意向欄への記載(希望する生活) 解決すべき課題(ニーズ)
01 (家族同居・生活介護)「おうち、好き。お散歩、行きたい」 日中に安心して過ごせる場を持ち、好きな散歩など体を動かす時間をつくりたい 日中活動の場と、外出・運動の機会を確保すること
02 (家族同居・就労B)「同じ作業がいい。難しいのは、いや」 自分の得意な決まった作業で、無理なく働き続けたい 本人の得意を活かせる作業を用意し、通所を習慣にすること
03 (GH入居・生活介護)言葉は少なく、活動の写真から「プール」を選ぶ 好きなプールなど、楽しみな活動を続けたい 本人が「好き」を選べる機会をつくり、意欲を保てること
04 (独居移行・居宅介護)「自分のアパートで暮らしたい。ごはん、作る」 自分の部屋で、できることは自分でやりながら暮らしたい 一人暮らしに必要な家事を、支援を受けながら身につけること
05 (家族同居・行動援護)初めての場所や予定変更で不安が高まり、なじみの支援者とだと落ち着いて外出できる なじみの人と一緒に、安心して外出や余暇を楽しみたい 見通しを持てる関わりのもとで、外出の機会を広げること
06 (家族同居・短期入所)(本人)「◯◯さんがいるなら、泊まれる」(母)「介護の疲れがたまってきた」 慣れた職員のいる場所で泊まりの経験を増やしたい(本人)/介護を続けるための休息がほしい(家族) 本人が泊まりに慣れる機会と、家族の休息を確保すること
07 (GH入居・就労B)「お給料で、好きなアニメのDVDを買いたい」 工賃で好きなものを買う楽しみを持って、通所を続けたい 得意な作業で工賃を得て、楽しみとつなげて意欲を保つこと

意向欄では、本人と家族の意向を分けて書くのが基本です(例06)。両者が違っても無理にそろえず、方針欄で折り合いの方向を示します。

長期目標・短期目標の文例(7例)

長期目標(1年程度の暮らしの姿)と短期目標(3〜6か月で達成を確認できる具体的な状態)のセットです。どれも本人が主語で、モニタリングで達成を判断できる言葉にしています。

目標例01|就労B・通所の準備

  • 長期目標(1年):一日を通して集中できる作業を1つ持ち、週4日の通所を続けている。
  • 短期目標(3か月):前日に自分でかばんの準備をし、平日の朝、家族の声かけなしで玄関まで出られる。

目標例02|生活介護・身辺自立

  • 長期目標(1年):朝の身支度を、絵の手順表を見ながら自分から始められる。
  • 短期目標(6か月):昼食後の歯みがきを、見守りのもと自分で行える。

目標例03|居宅介護・調理(独居移行)

  • 長期目標(1年):週の半分は、自分で夕食の準備ができる。
  • 短期目標(3か月):ヘルパーと一緒に、電子レンジを使った温め調理を3品覚える。

目標例04|行動援護・外出

  • 長期目標(1年):行き先を2枚の写真から自分で選び、外出の楽しみを広げている。
  • 短期目標(6か月):決まったコースの外出に、なじみの支援者と月2回、落ち着いて出かけられる。

目標例05|短期入所・泊まりに慣れる

  • 長期目標(1年):連続2泊の短期入所を、大きな不安なく過ごせる。
  • 短期目標(6か月):月1回、事前に写真で見通しを持って、1泊の短期入所を利用できる。

目標例06|グループホーム・生活

  • 長期目標(1年):ホームの1日の流れに慣れ、自分のペースで落ち着いて暮らしている。
  • 短期目標(3か月):決めた曜日に、自分の部屋の片づけを職員と一緒に行える。

目標例07|生活介護・自分の気持ちを伝える

  • 長期目標(1年):「やりたい/やりたくない」を、身近な職員に自分から伝えられる場面が増えている。
  • 短期目標(3か月):その日の活動を、2枚の絵カードから自分で選んで決められる。

サービス内容・留意事項の文例(6例)

サービスの種類・内容・量に加えて、なぜその支援が必要かと、知的障害で特に大切な留意事項(できることを奪わない支援量)を書き添えた例です。

サービス例01|生活介護(家族同居)

生活介護(週5日)。日中の活動の場を確保し、生活リズムと役割をつくる。留意事項:職員がすべてを行うと本人の「できる」が減るため、着替えや配膳など本人ができる工程は本人に残し、見守りを基本とする。

サービス例02|居宅介護・家事援助(独居移行)

居宅介護(家事援助・週3回/1回1.5時間)。一人暮らしに向けて調理・掃除を一緒に行う。留意事項:代行ではなく「一緒にやる」支援。本人が覚えている手順は本人が行い、ヘルパーは声かけと安全の確認に徹する(できることを奪わない支援量)。

サービス例03|行動援護(家族同居)

行動援護(週1回・外出時)。不安が高まりやすい外出場面で、なじみの支援者が付き添う。留意事項:予定を写真や絵で事前に伝えて見通しを持てるようにし、本人が落ち着ける関わり方を支援者間で統一する。

サービス例04|短期入所(家族同居・レスパイト)

短期入所(月1〜2回)。本人の泊まりの経験と、家族の介護負担の軽減を図る。留意事項:初回はなじみの職員と持ち慣れた物を用意し、短時間・1泊から始める。本人の不安のサインを記録し、次回の計画に反映する。

サービス例05|就労継続支援B型(GH入居)

就労継続支援B型(週4〜5日)。得意な繰り返し作業を活かした日中の役割を持つ。留意事項:作業量と難易度を本人に合わせ、「できた」という実感を優先する。工賃を本人の楽しみと結びつけて、意欲につなげる。

サービス例06|共同生活援助(グループホーム)

共同生活援助(毎日・生活支援)。食事・服薬・金銭の支援を行う。留意事項:支援は必要な部分に限定し、本人ができる家事や身の回りのことは役割として残す。過剰な管理は、本人が自分で決め・自分で行う機会を奪うことに留意する。

総合的な援助の方針(2例)

方針欄は本記事では2例にとどめます。方針欄の文例をもっと見たい方は、「総合的な援助の方針」の文例50選をご覧ください。

方針例01|知的・独居への移行期・就労B+居宅介護

グループホームを出てアパートで一人暮らしを始めた本人の「自分の部屋で、自分のペースで暮らしたい」という思いを支えるため、当面は失敗を責めず一緒に見直せる体制を重視する。就労継続支援B型が日中の役割と工賃を、居宅介護が調理・掃除を一緒に行いながら手順の定着を支える。本人ができる家事は本人に残し、相談支援専門員は当面3か月、毎月訪問して困りごとを早めに把握する。

方針例02|知的・家族同居・生活介護+行動援護

見通しの立たない場面で不安が高まりやすい本人が、安心できる日中の居場所と外出の機会を持てることを方針とする。生活介護で慣れた活動と役割を確保し、行動援護では写真で見通しを持った外出を重ねる。支援者間で本人が落ち着ける関わり方をそろえ、その情報を相談支援専門員が計画とモニタリングで更新し続ける。


全体記入例|親亡き後の暮らしへの移行期(1ケース)

ここまでの欄をつなげると、1枚のサービス等利用計画がどう仕上がるかを、知的障害の1ケースで示します。利用者名は仮名です。様式は自治体により異なりますが、記載する要素(意向・方針・目標・課題・サービス・役割・達成時期)は共通です。

  • 利用者:Dさん(50代・家族同居/将来はグループホーム等への移行を検討)
  • 障害と暮らし:知的障害。長く両親と実家で暮らしてきた。数年前に父が他界し、母(80代)が入退院を繰り返している。言葉でのやりとりは短いが、身近な人には表情や身振りで気持ちを伝えられる。散歩と、決まったテレビ番組が楽しみ。
  • 利用サービス:生活介護/短期入所/居宅介護(母の入院中)

利用者及び家族の生活に対する意向(希望する生活)

(本人)「おうちがいい。お母さんといたい。お散歩、行く」。慣れた人・場所では穏やかに過ごせる。 (母)「私が元気なうちに、この子が私以外の人や場所にも慣れておいてほしい。急に環境が変わって不安にさせたくないので、少しずつ慣らしていってあげたい」。

総合的な援助の方針

「おうちで、お母さんと過ごしたい」というDさんの気持ちを何より大切にしながら、母が元気なうちに、Dさんが母以外の人や場所にも少しずつ慣れていけるよう支える。急な環境の変化はDさんの不安につながるため、なじみの職員・持ち慣れた物・写真での見通しを用意し、短期入所は1泊から段階的に広げる。母の入院中は居宅介護で在宅生活を支え、生活介護で日中の安心できる居場所を保つ。相談支援専門員は、将来の暮らしの場(グループホーム等)について母とも継続的に話し合いながら、Dさんのペースを最優先に移行を進める。

長期目標(1年):短期入所やなじみの職員との関わりを通じて、実家以外の場所でも安心して過ごせる時間が増えている。

短期目標(6か月):月1回の短期入所を、事前に写真で見通しを持って1泊利用でき、日中は生活介護で慣れた活動に落ち着いて参加する。

解決すべき課題(本人のニーズ) 支援目標 福祉サービス等(種類・内容・量) 本人の役割 達成時期
実家・母との暮らしを大切にしたい 慣れた環境で穏やかに過ごせる 居宅介護(母の入院中・週3回、食事と身の回りの支援) 好きな散歩・テレビの時間を続ける 6か月
母以外の人・場所にも慣れておきたい(親亡き後への備え) 実家以外でも安心して過ごせる場を広げる 短期入所(月1回・1泊から段階的に) なじみの職員と過ごす 6か月
日中を安心して過ごしたい 慣れた活動に落ち着いて参加する 生活介護(週5日・活動と健康管理) 好きな活動に参加する 6か月

移行は本人の不安のサインを見ながら進め、無理が生じたときは短期入所の頻度や滞在時間をこまめに見直すことを、モニタリングの重点にします。


知的障害の計画を書くときの注意点

最後に、知的障害のケースで外したくない点を短くまとめます。文例の丸写しリスクや運営指導で見られる一般的なポイントは、ハブ記事サービス等利用計画の書き方・文例100事例にまとめています。

  • 本人の言葉と場面に置き換える:文例の「散歩」「アニメのDVD」を、本人が実際に語った言葉・好きなものに差し替える。数・頻度も本人の現状に合わせる。
  • 「できない」ではなく支援の文脈で書く:「〜だからできない」という欠格的な書き方は避け、「〜の場面で、〜があれば〜できる」と、本人のできる姿と必要な配慮で記述する。
  • 医療・診断的な断定をしない:診断名は必要な範囲で事実として触れ、支援の焦点は「できること・したいこと」に置く。
  • 本人が消えていないか最後に確認する:意向欄が家族の言葉だけになっていないか、目標に本人の「好き」や強みが入っているかを見直す。

本記事の制度に関する記述は2026年7月時点の情報を基にしています。モニタリングの標準期間・様式・強度行動障害に関する支援体制や加算の取り扱いなどは自治体・制度改定により異なる場合があります。最新の取り扱いは、各市町村・都道府県の公式情報をご確認ください。

よくある質問

本人が言葉で意向を伝えにくいとき、意向欄はどう書けばいいですか?

言葉での表現が難しい場合でも、意向は必ずあります。日頃の表情や行動、選択(何を選び、何を避けるか)、家族や支援者が見てきた「好きなこと・落ち着く場面」から本人の意向を読み取り、「(本人の様子から)〜を好み、〜のときに安心して過ごしている」のように、観察できた事実を根拠として記載します。推測で断定せず、確認できた事実と、これから確かめたいことを分けて書いておくと、モニタリングで意向を更新していけます。

本人の意向と家族の意向が違うときは、どう書き分けますか?

意向欄では本人と家族の意向を分けて記載し、どちらかに寄せてひとつにまとめないのが原則です。たとえば本人は「一人で暮らしたい」、家族は「まだ心配」という場合、両方をそのまま書いたうえで、総合的な援助の方針で「本人の挑戦を、家族が安心できる形で段階的に支える」という折り合いの方向を示します。知的障害では家族が長く支えてきたケースが多く、家族の不安も支援の対象として受け止める視点が大切です。

強度行動障害のあるケースでは、計画に何を書けばいいですか?

まず、行動が起きやすい場面やきっかけ、本人が落ち着ける関わり方をアセスメントで具体的に把握し、「〜の場面で不安が高まりやすく、〜があると落ち着いて過ごせる」と支援の文脈で記載します。「問題行動」と決めつけず、本人が何に困っているかを起点にします。サービスは行動援護・生活介護・短期入所などを本人の状態に合わせて組み、支援者間で関わり方をそろえ、その情報を計画とモニタリングで更新し続けることを方針に含めます(強度行動障害に関する支援体制や加算の要件は制度・自治体により異なるため詳細は【要確認】)。

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