ブログ一覧へ
書き方

相談支援のフェイスシートの書き方|項目と記入例

相談支援で使うフェイスシートの書き方を、基本情報・家族と連絡先・医療・福祉サービス・生活上の配慮という項目別に、架空事例の記入例つきで解説します。

「相談支援のフェイスシートは、どこまで詳しく書けばよいのか」「アセスメントと同じ内容を二重に書いてしまう」。基本情報を扱う用紙だからこそ、目的が曖昧なまま埋めているケースがあります。

フェイスシートは、本人の基本情報、家族や緊急連絡先、医療、利用中の支援などを一枚で把握し、支援の入口や連絡調整に使う資料です。生活上の課題を分析するアセスメントとは、役割が異なります。

本記事が扱うのは、障害福祉の計画相談で相談支援専門員が使うフェイスシートです。介護保険の居宅介護支援で介護支援専門員が作成する書類は対象にしていません。

この記事では、相談支援で共通して扱われる項目を、確認する内容→書き方→架空事例A様の記入例の順で説明します。氏名・事業所名・自治体名は架空です。フェイスシートから先の聞き取りは、計画相談のアセスメントシートの書き方で詳しく解説しています。

フェイスシートの役割とアセスメントとの違い

フェイスシートの中心は、本人に関する基礎情報を見つけやすく整理することです。初回相談で全体像をつかむとき、担当者間で連絡先を確認するとき、受診先や利用サービスを確認するときなどに使われます。

一方、アセスメントは、本人の心身の状況、生活環境、意向、強み、困りごとを確認し、支援で取り組む課題を整理する過程です。フェイスシートに「一人暮らし」と書くだけでは、その生活で何ができ、何に困っているかまでは分かりません。面接で掘り下げるのがアセスメントです。

比較する点 フェイスシート アセスメントシート
主な目的 基本情報を一覧で把握する 生活を理解し課題を整理する
主な内容 属性、連絡先、家族、医療、関係機関 意向、生活状況、強み、困りごと
書き方 事実を簡潔に記載 事実と本人の言葉をもとに分析
更新のきっかけ 住所、連絡先、受診先などの変更 状態や生活、希望、支援の変化

様式や名称は事業所ごとに違います。「基本情報票」「利用者台帳」など別の名称で同じ役割を持つこともあるでしょう。以下は共通しやすい項目の整理です。実際には自事業所の様式と自治体の案内を確認してください。

項目1|本人の基本情報を書く

基本情報には、氏名、生年月日、住所、連絡方法、障害や手帳、受給者証に関する情報などの欄が置かれることがあります。記入時は、本人や公的書類で確認した表記を用いましょう。通称や読み方がある場合は、本人の希望に沿って補足します。

番号や有効期限を記録する様式では、桁や日付の転記間違いに注意が必要です。障害名や診断名は、支援に必要な範囲で確認できた事実を書きましょう。診断名だけから本人の状態や支援方法を決めつけてはいけません。

架空事例A様の記入例
氏名:A様/連絡方法:本人の希望により電話。午前中は通所準備のため、平日16時以降がつながりやすい/居住:賃貸住宅で単身生活/受給者証:原本を本人と確認、次回更新時期を支援経過にも記録。

連絡しやすい時間帯や、電話・文字・対面など本人が希望する方法は、日々の調整に役立つ情報です。自由記載欄には、簡潔に残しましょう。

項目2|家族・緊急連絡先と関係性を書く

家族欄は、家族構成を並べるだけでなく、同居・別居、本人との関係、普段どのような支援を担っているかを区別しましょう。緊急連絡先は、本人が連絡先として希望している人か、どのような場面で連絡するかを本人と確認します。

家族だから自動的に情報共有できると考えず、本人の意向と事業所の個人情報の取扱いに沿って記録してください。家族間で意見が異なる場合も、一人の意向にまとめません。誰の発言かが分かる形にします。

架空事例A様の記入例
家族:親族B(別居)。月2回程度訪問し、日用品の買い物を手伝う/緊急連絡:本人と連絡が取れず、体調面の緊急性がある場合に連絡することを本人・親族Bと確認/情報共有:受診内容の共有範囲は本人へその都度確認。

緊急時の対応方法はフェイスシートだけで完結させず、事業所の連絡手順や個別の対応記録と整合させましょう。

項目3|医療・健康情報を書く

医療欄には、主な受診先、診療科、服薬の管理方法、アレルギー、医療的ケア、健康上の配慮などを記載する様式があります。相談支援専門員が医療的な判断を書くのではありません。本人、家族、医療機関などから確認した情報と、支援場面で必要な配慮を整理します。

「服薬あり」だけでなく、本人がどのように管理しているか、支援者が何を把握しているかを分けましょう。受診先が複数ある場合は、役割や連絡先を取り違えないようにします。症状や薬の変更は時間とともに変わるため、確認日も残してください。

架空事例A様の記入例
通院:医療機関Cの外来を月1回利用/服薬:本人が服薬ケースで管理し、訪問支援時に残数を一緒に確認/配慮:疲れが重なると予定を整理しにくいと本人が話すため、連絡事項は一度に一つずつ確認/情報源:本人への面接とお薬手帳、確認日は作成日と同日。

医療機関名を記事の例から写すのではなく、実際のケースでは本人の同意と事業所の取扱いに沿って記録しましょう。

項目4|利用サービス・関係機関を書く

利用中の障害福祉サービス、医療、行政、就労、教育など、本人に関わる機関を整理します。サービス名だけでなく、利用頻度、担当、主な役割、連絡方法を記載すると、担当者会議や急な調整時に確認しやすくなるでしょう。

計画上の支給量と実際の利用状況は、同じとは限りません。フェイスシートでは混同せず、「支給決定内容」と「現在の利用」を欄や注記で分けましょう。最新の計画とも照合します。

架空事例A様の記入例
就労系サービスD:週3日利用、日中活動と作業支援/訪問系サービスE:週1回利用、居室の整理を本人と実施/相談支援:計画作成とモニタリング、関係機関との連絡調整/更新:サービス変更時にフェイスシートと関係機関一覧を見直す。

サービス等利用計画の各欄との違いを整理したい場合は、サービス等利用計画の書き方・文例100事例も参照してください。

項目5|生活上の配慮と本人の希望を書く

自由記載欄には、コミュニケーション方法、移動、食事、感覚、意思表示、緊急時など、初めて関わる人が知っておきたい配慮を簡潔に書きます。本人の困りごとを列挙するより、「どの場面で、どのような関わりが分かりやすいか」を具体化しましょう。

架空事例A様の記入例
本人の希望:予定変更は前日までに知りたい。急な変更時は、理由と新しい時間を紙にも書いてほしい/意思表示:選択肢が多いと迷いやすいため、二つずつ提示すると選びやすい/強み:時刻表を見て一人で移動でき、決めた予定を丁寧に管理している。

この欄は詳細なアセスメントの代わりではありません。支援者が最初に知ると関わりやすい要点を置き、背景や本人の生活全体はアセスメント、計画、支援経過で確認できるようにしましょう。

記入後の確認と更新の進め方

記入後は、情報の正しさ、本人の意向、更新日を確認します。空欄を推測で埋めません。確認できていない項目には「未確認」「次回面接で確認」などと残します。本人、家族、関係機関のどこから得た情報かも記録すると、後から確かめやすくなるでしょう。

更新のきっかけは、住所や連絡先の変更、家族関係の変化、受診先や服薬管理の変更、サービスの開始・終了、緊急連絡先の変更などです。定期的な見直し日に加え、変化を把握した時点で更新できる運用を事業所内で決めておきましょう。

最後に、共有範囲を確認します。フェイスシートには連絡先や健康情報などが含まれるからです。紙・データの保管、職員間や関係機関との共有は、本人の意向、同意の記録、事業所の情報管理ルールに沿って扱ってください。

聞き取りで詰まる場面と、その場での聞き方

項目ごとに欄を埋めていくと、質問の仕方に迷う場面が出てきます。よく相談される4つの場面と、その場で使いやすい聞き方を挙げましょう。

家族構成が複雑なケース

再婚や別居、里親・施設出身など、家族構成を単純な図で表しにくいケースがあります。無理に一つの家系図に収めようとせず、「今、実際に関わっている人」を先に確認しましょう。「今、困ったときに連絡する人はどなたですか」「一緒に住んでいる方を教えてください」と、同居・別居・関わりの有無を分けて尋ねると、本人にとって答えやすい順番になります。

血縁関係の詳細は、支援に必要な範囲で確認すれば十分です。関係性が複雑で本人も説明しづらそうな場合は、その場で全体を聞き切ろうとしません。「今日分かったところまで書いておき、次回また教えてください」と伝えて区切ります。

医療情報を本人が把握していない場合

服薬中の薬の名前や受診先の診療科を、本人がはっきり把握していないことがあります。「分からない」で終わらせません。「お薬手帳はお持ちですか」「次に病院に行くのはいつ頃ですか」など、本人が確認できる手がかりを一緒に探しましょう。

その場で分からない項目は、空欄のまま放置せず「本人は把握しておらず、次回受診時にお薬手帳で確認予定」のように、現時点の状況と次の確認方法を書いておきます。家族や支援者が把握している場合は、情報源を明記したうえで補いますが、本人に確認せず家族の情報だけで埋めることは避けてください。

前任者の記録と食い違う場合

担当が替わったとき、前任者の記録と、本人から聞いた内容が食い違うことがあります。どちらかを正しいと決めつけません。「以前の記録では〇〇となっていますが、今はいかがですか」と、変化の可能性も含めて本人に確認しましょう。

状況が変わっていた場合は、いつ頃からの変化かも尋ねると、記録の更新履歴として残せます。本人の説明と前任者の記録のどちらとも判断がつかない場合は、両方を併記しましょう。「要確認」として、次回以降ではっきりさせる項目にしておきます。

更新の頻度とタイミング

フェイスシートを毎回すべて聞き直す必要はありません。ただし、どの項目を、どのくらいの頻度で確認し直すかを決めておかないと、古い情報のまま気づかず使い続けてしまうでしょう。

住所・連絡先・緊急連絡先など変化に気づきやすい項目は、面接のたびに一言確認する運用にしておくと更新漏れを防げます。一方、医療情報や関係機関の担当者など、変化に気づきにくい項目は、モニタリングの時期にあわせて確認するといった形で頻度を分けておくと、聞き取りの負担を抑えられるでしょう。事業所内で「この項目は年1回」「この項目は面接のたびに」と目安を共有しておくと、担当が替わっても更新のタイミングがそろいます。


本記事の内容は、2026年7月時点の相談支援で共通する一般的な項目と記入手順が根拠です。フェイスシートの名称、様式、記載項目、提出・共有の運用は自治体や事業所により異なります。実際の記載は、自事業所の規程と事業所所在地の市町村・都道府県の公式情報をご確認ください。

よくある質問

フェイスシートとアセスメントシートは同じもの?

目的が異なります。フェイスシートは本人の基本情報や連絡先、関係機関などを一覧で把握するための資料です。アセスメントシートは、生活状況や意向を掘り下げ、計画作成につながる課題を整理するために使います。

空欄をなくすために推測で記入してよい?

確認できていない情報は推測で埋めず、「未確認」「本人へ確認予定」など、現時点の確認状況が分かる形で残します。情報源と確認日も記録すると、次の更新につなげやすくなります。

フェイスシートの様式は全国共通?

全国で一つの様式に統一されているわけではなく、自治体や事業所によって項目や名称が異なります。自事業所で使う様式と、自治体が示す手引きや提出書類を確認してください。

この記事は参考になりましたか?

施設への問い合わせ対応を自動化するAIチャット『kotae.chat』もTaffyが運営しています →