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文例

障害児支援利用計画の書き方・記入例|代表13ケース×欄別の文例集【障害児相談支援】

障害児支援利用計画(児童福祉法・障害児相談支援)の欄ごとの書き方と記入例を整理。大人のサービス等利用計画との制度・様式の違い、NG例と直し方、代表13ケースを意向・方針・目標・課題の4欄で縦断するコピペ可能な文例36例、提出前チェックまで。

大人のサービス等利用計画なら迷わず書ける相談支援専門員でも、初めての障害児ケースでは様子が変わります。アセスメント面談で目の前にいる3歳の本人は意向を言葉にせず、質問に答えるのは隣の母親。持ち帰った様式はいつもと同じ1枚なのに、意向欄の1行目から主語が決まらない——障害児支援利用計画でつまずくのは、たいていこの「誰の言葉で書くか」からです。加えて園・学校という関係機関が関わることが多く、目標は就学・進学・卒業という節目に合わせて動きます。

この記事では、制度の整理(大人の計画との違い)→ 欄ごとの書き方の型 → NG例と直し方 → 代表13ケース×欄別の文例集 → 提出前チェックの順で、障害児支援利用計画をそのまま書き始められる形にまとめました。大人のサービス等利用計画の文例はサービス等利用計画の書き方・文例100事例を参照してください。

障害児支援利用計画の面談をする相談支援専門員と親子

障害児支援利用計画とサービス等利用計画の違い

障害児支援利用計画は、児童福祉法(第6条の2の2)に基づく障害児相談支援(障害児支援利用援助・継続障害児支援利用援助)で作成する計画です。大人のサービス等利用計画(障害者総合支援法・計画相談支援)とは、根拠となる法律と対象サービスが異なります。全体像は次の図解のとおりです。

どちらで作る? 障害者総合支援法のサービス等利用計画と児童福祉法の障害児支援利用計画の比較

サービス等利用計画 障害児支援利用計画
作成する事業所 指定特定相談支援事業所 指定障害児相談支援事業所
対象サービス 居宅介護・生活介護・就労系など障害福祉サービス、地域相談支援 障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)
受給者証 障害福祉サービス受給者証 通所受給者証

実務で混同しやすいポイントが2つあります。

  1. 居宅系サービスは児童でも大人側の制度——居宅介護・短期入所などの障害福祉サービスは、児童が使う場合も障害者総合支援法に基づくため、制度上は計画相談支援(サービス等利用計画)の対象です。国の報酬上の取扱いでは、障害児相談支援の対象となる児童に計画相談支援を行っても給付費を重複して算定することはできず(障害児相談支援給付費の側で算定)、両計画の内容は一体的に作成するのが基本とされています。そのうえで、申請の出し方や様式の扱いなど具体の運用は市町村で異なるため、支給決定前に担当課へ確認してください。なお、移動支援は地域生活支援事業(市町村事業)のため、計画相談支援・障害児相談支援の給付対象サービスではありません。計画には社会資源の一つとして記載できますが、給付上は別枠と整理して扱います。
  2. 様式は大人と共通のことが多い——国の標準様式例をもとに多くの自治体が定めている様式では、計画案が様式1-1、確定版の計画が様式2-1、モニタリング報告書が様式3-1で、表題も「サービス等利用計画・障害児支援利用計画」と併記された兼用様式です。ただし様式番号の振り方や細部は自治体で異なります(独自に付番している自治体もあります)。提出先の市町村が公開している様式・記入マニュアルを必ず確認してください。

つまり書式はほぼ同じで、違いは「何を・誰の言葉で・どの節目に向けて書くか」という中身の側にあります。以下、欄ごとに見ていきます。

欄ごとの書き方の型

利用者及びその家族の生活に対する意向——本人と家族・養育者を区別する

障害児の計画でこの欄が大人と違うのは、語る主体が本人と家族・養育者の2人以上になることです。多くは保護者(親)ですが、祖父母や里親など養育者が語り手になるケースもあるため、(母)(祖母)(里親)のように誰の言葉かを添えると確実です。様式上は一つの欄で、書き分けが必須と定められているわけではありませんが、次のように区別して書くと根拠の分かる計画になり、運営指導でも説明しやすくなります。

  • 家族・養育者の意向は、聞き取った言葉をできるだけそのまま書く(「就学までに身の回りのことを増やしたい」など)
  • 本人の意向は、話せる年齢なら本人の言葉で。まだ話せない・話しにくい場合は、遊び・表情・行動から読み取れることを「〜する様子がある」「〜と見られる」と観察として書く
  • 家族の意向だけで埋めない。本人の姿が1行もない意向欄は、運営指導でも「本人不在」と指摘されやすい典型です

聞き取りの土台になるアセスメントの取り方はアセスメントシートの書き方にまとめています。

総合的な援助の方針——園・学校を役割分担に入れる

方針欄の骨格は大人と同じで、①意向の軸 ②当面の重点 ③役割分担 ④到達点と時間軸、の4要素です。通園・通学しているケースでは、役割分担に園・学校・家庭が入ります。「事業所=療育・活動、園や学校=集団生活での配慮、保護者=家庭での実践、相談支援専門員=全体の調整と節目の準備」のように、福祉サービスの外側まで含めて主語を書き分けてください。未就園児や長期欠席中、居宅訪問型のケースでは、家庭と医療機関(主治医・訪問看護など)が役割分担の中心になります。訪問看護など医療保険側のサービスは障害児通所支援の給付ではありませんが、「福祉サービス等」欄のその他の支援や関係機関として計画に位置づけられます。

長期目標・短期目標——節目から逆算する

  • 長期目標は本人の到達したい姿。実務上は半年〜1年後を目安にすることが多いですが、全国一律の決まりではなく、通所給付決定の期間やモニタリング期間に合わせて調整します。児童では就学・進学・卒業という節目が自然な到達点になります
  • 短期目標は次のモニタリングで達成の判断ができる形にします(直近〜3か月程度を目安にする運用が多い)。誰が・いつまでに・何をするかまで書き、「集団に慣れる」で止めず、「通所日に朝の会へ自分の席で参加する。保護者は就学時健診までに就学先の見学を1か所行う」のように、本人の行動と大人の動きを分けて具体化します

解決すべき課題(本人のニーズ)・支援目標・達成時期

課題欄にサービス名を書かないのは大人と同じです。「放デイが必要」ではなく「放課後の過ごし方が定まらず、叱られる経験が積み重なっている」のように、生活上の困りごととして書きます。支援目標は課題を支援側から捉え直したもので、達成時期は「利用開始から3か月」「次回モニタリングまで」のように起点の分かる形で段階的に置きます。

福祉サービス等(種類・内容・量)——支給量の単位は「日/月」

支給量に触れるときの単位は「◯日/月」です。通所受給者証の記載と一致させてください。「週3回」は生活リズムの表現としては使えますが、支給量の欄は月単位で書き、週の配置は週間計画表側で示すのが整理として安全です。内容欄はサービス名だけでなく「個別療育で要求表出の練習」「看護職員配置あり」など支援のポイントまで書きます。

本人(と保護者)の役割・モニタリング期間

「課題解決のための本人の役割」は、児童では本人にできることと保護者が担うことを分けて書くと実行可能な計画になります(記載例は文例集の例29・例31・例34に併記しています)。モニタリング期間(開始年月)欄には、市町村が通所給付決定の際に定めた期間を記入します。頻度の目安は国の標準期間を参考に市町村が個別に設定するため、自治体・ケースにより異なります。モニタリング後の報告書の書き方はモニタリング報告書の書き方・文例を参照してください。

NG例と直し方(3組)

NG1|保護者の意向だけで本人が消える

❌「保護者:集団生活に慣れさせたい。本人:(記載なし)」

✅「(本人)好きな電車の玩具では支援者と視線が合い、『でんしゃ』と笑顔で伝える様子がある。(保護者・母)『言葉でのやりとりが増えてほしい。家での関わり方も知りたい。』」

話せない年齢でも、観察できた本人の姿を「〜の様子」で1行入れます。

NG2|目標に「誰が・いつまでに・何を」がない

❌「短期目標:集団活動に参加できるようになる。」

✅「短期目標:児発の小集団で、支援者を介して友だちと道具の貸し借りができる。保護者は月1回の面談で家庭での様子を共有する(利用開始から3か月)。」

達成したかどうかを次のモニタリングで判断できる粒度まで下げます。

NG3|支援者の推測を本人の気持ちとして断定する

❌「母子分離にも耐えられる状態になっており、本人も通所を望んでいる。」

✅「母が退室しても5分程度で遊びに戻れる日が増えている。送迎時に自分から靴を持ってくる様子があり、通所への抵抗は薄れてきていると考えられる。」

「耐えられる」のような評価的な要約ではなく、観察した事実を書き、推測は「〜と考えられる」と区別します。


障害児支援利用計画の文例集(代表13ケース・36例)

この文例集は、8つの主要ケースを意向・方針・目標・課題の4つの欄で縦断し、そこに5つの補足ケースを加えた13ケース・36例という構成です。数を水増しせず、同じケースを欄をまたいで追えるようにしてあるので、「意向→方針→目標→支援内容」がどうつながるかをそのまま参照できます。太字の設定は参考にとどめ、本人・家族の実際の言葉、実在の園・学校名、通所受給者証どおりの支給量に必ず置き換えて使ってください。

欄から探す意向欄の文例総合的な援助の方針の文例長期目標と短期目標の文例課題と支援内容の文例

ケースから探す:下の一覧表から、必要な欄の例番号をたどってください。

ケース設定 意向 方針 目標 課題・支援
3歳・自閉スペクトラム・児童発達支援 例01 例09 例19 例29
4歳・言葉の遅れ・児発+並行通園 例02 例10 例20
5歳・ダウン症・就学前・児童発達支援 例03 例11 例21 例30
小2・ADHD・放課後等デイサービス 例04 例12 例22 例31
小5・学習障害・放デイ(学習支援) 例05 例13 例23 例32
中2・自閉スペクトラム・登校しぶり 例06 例14 例24 例33
高2・知的障害・卒業移行期 例07 例15 例25 例34
3歳・医療的ケア児・児童発達支援 例08 例16 例26 例35
5歳・重症心身障害・居宅訪問型児発 例17
小4・場面緘黙・保育所等訪問支援 例18
小1・肢体不自由・放デイ(機能訓練) 例27
小6・自閉スペクトラム・進学準備 例28
小3・知的障害(強い行動)・放デイ 例36

意向欄の文例

本人と家族・養育者の書き分けの例です(例01〜08)。

例01|3歳・自閉スペクトラム・児童発達支援

(本人)発語は単語が中心。好きな電車の玩具で遊ぶときは支援者と視線が合い、笑顔で「でんしゃ」と伝える様子がある。 (保護者・母)「言葉でのやりとりが少しずつ増えてほしい。私も家での関わり方を知りたい。」

→ 同じケース:方針=例09/目標=例19/課題・支援=例29

例02|4歳・言葉の遅れ・児童発達支援(幼稚園と並行通園)

(本人)「ようちえん、たのしい」と話す一方、大人数の場面では部屋の隅で一人遊びになる様子が見られる。 (保護者)「幼稚園は続けながら、発音と友だちとのやりとりを専門的にみてもらいたい。」

→ 同じケース:方針=例10/目標=例20

例03|5歳・ダウン症・児童発達支援(就学前)

(本人)「がっこう、いく」と就学を楽しみにしている。着替えは時間をかければ一人でできる。 (保護者)「来年の就学までに、身の回りのことを自分でできる範囲を増やしたい。就学先の相談にも乗ってほしい。」

→ 同じケース:方針=例11/目標=例21/課題・支援=例30

例04|小2・ADHD・放課後等デイサービス

(本人)「サッカーはすき。じゅぎょう中におこられるのはいや。」 (保護者)「学校から離席の指摘が続き、叱られる場面ばかり増えている。放課後に体を動かしながら、褒められる経験を増やしてほしい。」

→ 同じケース:方針=例12/目標=例22/課題・支援=例31

例05|小5・学習障害・放課後等デイサービス(学習支援)

(本人)「音読をあてられるのがいちばんいや。マンガなら読める。」 (保護者)「読み書きの苦手に合った教え方をしてほしい。宿題のたびに親子げんかになるのを減らしたい。」

→ 同じケース:方針=例13/目標=例23/課題・支援=例32

例06|中2・自閉スペクトラム・放課後等デイサービス(登校しぶり)

(本人)「教室はうるさくて疲れる。ゲームの話ができる場所なら行ってもいい。」 (保護者)「無理に学校へ戻すより、まず家以外で安心して過ごせる場所をつくってやりたい。」

→ 同じケース:方針=例14/目標=例24/課題・支援=例33

例07|高2・知的障害・放課後等デイサービス(卒業後の移行準備)

(本人)「そつぎょうしたら、はたらきたい。おかしづくりがすき。」 (保護者)「卒業後の進路を親子だけでは決めきれない。在学中に働く場の見学や体験をさせたい。」

→ 同じケース:方針=例15/目標=例25/課題・支援=例34

例08|3歳・医療的ケア児(経管栄養)・児童発達支援

(本人)音の出る絵本に手を伸ばし、あやすと声を出して笑う様子がある。 (保護者・母)「医療的ケアがあっても、同じ年頃の子と過ごす経験をさせたい。私も付き添いを少し減らして、下の子との時間をつくりたい。」

→ 同じケース:方針=例16/目標=例26/課題・支援=例35

総合的な援助の方針の文例

主要8ケースの方針に、訪問系2ケースを加えた10例です(例09〜18)。

例09|3歳・自閉スペクトラム・児童発達支援

「言葉のやりとりが増えてほしい」という母の願いを軸に、本人が好きな遊びを入り口に大人とのやりとりを広げる。児童発達支援が個別・小集団での発達支援と保護者への関わり方の共有を担い、1年後、身近な大人に自分から要求を伝えられる場面が増えているかを、相談支援専門員が市町村の定めたモニタリング期間ごとに確認する。

→ 同じケース:意向=例01/目標=例19/課題・支援=例29

例10|4歳・並行通園・児童発達支援+保育所等訪問支援

幼稚園生活を続けたい親子の意向を踏まえ、園と療育で関わり方をそろえる。児童発達支援が個別の発達支援を、保育所等訪問支援が園での様子の観察と先生への助言を担い、半年後、園の集団活動に本人なりの形で参加できる場面を増やす。

→ 同じケース:意向=例02/目標=例20

例11|5歳・就学前・児童発達支援

「就学までに身の回りのことを」という保護者の意向を軸に、就学を見通した準備を進める。児童発達支援が着替え・排泄などの生活動作と小集団活動を支え、相談支援専門員が就学相談の情報を保護者と共有し、年長の秋までに就学先の見学を終えられるよう進める。

→ 同じケース:意向=例03/目標=例21/課題・支援=例30

例12|小2・ADHD・放課後等デイサービス

学校で注意される場面が続いている本人が、達成できた経験を増やせるようにする。放課後等デイサービスが運動遊びと本人が達成しやすい活動の設定を担い、連絡帳で学校と対応を共有し、保護者が家庭での声かけを合わせる。半年後の担当者会議で、本人が自分の得意なことを一つ言えるようになっているかを学校・家庭と確認する。

→ 同じケース:意向=例04/目標=例22/課題・支援=例31

例13|小5・学習障害・放課後等デイサービス(学習支援)

「マンガなら読める」という本人の力を起点に、読み書きの負担を減らす方法を身につける。放課後等デイサービスが本人に合う教材と学び方の練習を、学校が授業での配慮を担い、保護者は宿題の見守り方を変える。1年後、本人が「これなら読める」と言える方法を1つ持てている状態を到達点とする。

→ 同じケース:意向=例05/目標=例23/課題・支援=例32

例14|中2・登校しぶり・放課後等デイサービス

登校の再開を当面の目標にせず、保護者の「まず家以外で安心して過ごせる場所を」という意向に沿って、本人が通える場をつくることを最優先とする。放課後等デイサービスが本人の興味(ゲーム・カード)を入り口に居場所と対人経験を提供し、相談支援専門員が学校・スクールカウンセラーと情報を共有する。半年後、本人が「今日は行く」と自分で決めて通える日が増えている状態を目指す。

→ 同じケース:意向=例06/目標=例24/課題・支援=例33

例15|高2・卒業移行期・放課後等デイサービス

「卒業したら働きたい」を軸に、在学中から卒業後の場へ橋渡しする。放課後等デイサービスが働く生活を見据えたリズムと作業経験を支え、相談支援専門員が卒業年度の夏までに就労継続支援B型等の見学・体験を2か所以上調整し、学校の進路指導と情報をそろえる。進路先の絞り込みは、体験後の担当者会議で本人・保護者・学校と協議して決める。

→ 同じケース:意向=例07/目標=例25/課題・支援=例34

例16|3歳・医療的ケア児・児童発達支援

医療的ケアがあっても子どもらしい経験を積めること、母が休息を取れることの両方を方針とする。児童発達支援が看護職員配置のもとで発達支援を、訪問看護(医療保険側の資源として関係機関に位置づけ)が在宅での健康管理を担い、相談支援専門員が主治医・訪問看護と体調の情報を共有する。1年後、定期的な通所が家族の生活に定着している状態を目指す。

→ 同じケース:意向=例08/目標=例26/課題・支援=例35

例17|5歳・重症心身障害(人工呼吸器使用)・居宅訪問型児童発達支援

重度の障害と日常的な医療的ケアのため、通所による支援を受けるための外出が著しく困難な本人が、自宅で発達支援を受けられるようにする。居宅訪問型児童発達支援が姿勢づくりと感触遊びを通じた支援を行い、主治医・訪問看護と体調の情報を共有する。1年後、支援者との遊びで表情や発声による応答が増えているかを確認し、通所への移行の可否は主治医の意見を踏まえて保護者と検討する。

例18|小4・場面緘黙・保育所等訪問支援

家では話せるが学校では声が出しにくい本人が、無理なく参加できる場面を広げられるようにする。保育所等訪問支援が学校を訪問して本人の様子を観察し、担任と参加方法(筆談・うなずきでの応答など)を共有する。無理に話させないことを関係者の共通ルールとし、半年ごとに、本人が参加できた場面の広がりを担任と確認する。

長期目標と短期目標の文例

主要8ケースのセットに、機能訓練・進学準備の2ケースを加えた10例です(例19〜28)。

例19|3歳・自閉スペクトラム・児童発達支援

長期目標:好きな遊びを通して、身近な大人に自分から「やって」「ちょうだい」を伝えられる場面が増える(1年)。 短期目標:通所時に、支援者と好きな電車遊びで◯分程度やりとりが続く。母は月◯回の面談で家庭での関わりを支援者と振り返る(次回モニタリングまで)。

→ 同じケース:意向=例01/方針=例09/課題・支援=例29

例20|4歳・言葉の遅れ・並行通園

長期目標:園の朝の会に自分の席で参加し、名前を呼ばれたら返事ができる(1年)。 短期目標:児童発達支援の小集団で、支援者を介して友だちと道具の貸し借りができる(利用開始から3か月)。

→ 同じケース:意向=例02/方針=例10

例21|5歳・就学前・児童発達支援

長期目標:就学までに、着替え・排泄・持ち物の準備を一人で行える(年度末)。 短期目標:通所日に、着替えを最後まで自分で行う。保護者は就学先の見学を1か所行う(就学時健診まで)。

→ 同じケース:意向=例03/方針=例11/課題・支援=例30

例22|小2・ADHD・放課後等デイサービス

長期目標:学校・放デイ・家庭で共通の約束のもと、活動の切り替えが声かけ1回でできる日が増える(1年)。 短期目標:放デイで運動プログラムの後に、クールダウンの手順(水を飲む→好きな本を読む)を支援者と一緒に実行できる(利用開始から3か月)。

→ 同じケース:意向=例04/方針=例12/課題・支援=例31

例23|小5・学習障害・放課後等デイサービス

長期目標:自分に合う方法(音声教材・拡大プリント等)を使って、宿題に一人で取りかかれる(1年)。 短期目標:放デイで音声教材を使った読みの練習を通所日ごとに10分行う。保護者と担任は、授業での配慮を相談する場を1回持つ(次回モニタリングまで)。

→ 同じケース:意向=例05/方針=例13/課題・支援=例32

例24|中2・登校しぶり・放課後等デイサービス

長期目標:家以外に安心して過ごせる場所が2つ以上あり、自分で行き先を選べる(1年)。 短期目標:本人が選んだ活動のある日を中心に、月4日以上放デイに通う。相談支援専門員は学校との情報共有の場を1回設ける(利用開始の学期内)。

→ 同じケース:意向=例06/方針=例14/課題・支援=例33

例25|高2・卒業移行期・放課後等デイサービス

長期目標:卒業までに、本人が進路先を自分の言葉で選び決定している(卒業時)。 短期目標:卒業年度の夏休み中に就労継続支援B型事業所2か所の見学・体験を行い、体験のたびに本人・保護者・相談支援専門員で感想を振り返る(夏休み終了まで)。

→ 同じケース:意向=例07/方針=例15/課題・支援=例34

例26|3歳・医療的ケア児・児童発達支援

長期目標:看護職員との体調確認の手順のもとで通所が生活リズムとして定着し、好きな活動(音楽・感触遊び)で笑顔や発声の表出が増える(1年)。 短期目標:看護職員と保護者が体調確認の手順表を共有して毎回の通所時に運用する。本人が母の同席なしでも支援者と落ち着いて活動できる時間を30分から少しずつ延ばす(利用開始から3か月)。

→ 同じケース:意向=例08/方針=例16/課題・支援=例35

例27|小1・肢体不自由・放課後等デイサービス(機能訓練)

長期目標:学校生活のリズムに慣れ、放課後の活動で座位保持での遊びを楽しめる(1年)。 短期目標:放デイが通所日ごとに体調と疲労の様子を記録し、その記録をもとに相談支援専門員が担当者会議で学校・保護者と活動量を調整する(初回の担当者会議まで)。

例28|小6・自閉スペクトラム・中学進学準備

長期目標:進学後も、見通しが持てれば新しい環境で落ち着いて過ごせる(進学後半年)。 短期目標:放デイでスケジュール表を使った見通しづくりを通所日ごとに練習し、予定変更をスケジュール表で確認して受け入れられた場面を記録する。相談支援専門員は進学先中学校との引き継ぎの場を調整する(3学期中)。

課題と支援内容の文例

主要8ケースのうち7ケースと、強い行動が出やすいケースの計8例です(例29〜36)。例29・31・34には「本人・保護者の役割」欄の記載例も併記しています。

例29|3歳・自閉スペクトラム・児童発達支援

解決すべき課題:言葉でのやりとりがまだ少なく、要求が通らないと泣いて伝える場面が多い。 支援内容:児童発達支援(◯日/月)。個別療育で好きな遊びを使った要求表出の練習。月◯回の保護者面談で家庭での関わり方を共有。 本人・保護者の役割:本人は好きな遊びの場面で「ちょうだい」のサインを支援者と一緒に試す。保護者は家庭でも同じサインを使い、面談で様子を伝える。

→ 同じケース:意向=例01/方針=例09/目標=例19

例30|5歳・就学前・児童発達支援

解決すべき課題:身の回りの動作に時間がかかり、集団の流れに乗り遅れて自信をなくしやすい。 支援内容:児童発達支援(◯日/月)。生活動作の練習と小集団活動。就学に向け、秋の就学時健診までに学校との情報共有の場を設ける。

→ 同じケース:意向=例03/方針=例11/目標=例21

例31|小2・ADHD・放課後等デイサービス

解決すべき課題:放課後の過ごし方が定まらず、叱られる経験が積み重なって自信を失っている様子がある。 支援内容:放課後等デイサービス(12日/月)。運動プログラムと本人が達成しやすい活動の設定。連絡帳で学校・家庭と対応を統一。 本人・保護者の役割:本人は「終わりの合図で片づける」の約束を支援者と決めて試す。保護者はできた日の連絡帳を本人と一緒に読み返す。

→ 同じケース:意向=例04/方針=例12/目標=例22

例32|小5・学習障害・放課後等デイサービス

解決すべき課題:読み書きの苦手から宿題に取りかかれず、家庭で親子ともに疲れが重なっている。 支援内容:放課後等デイサービス(8日/月)。音声教材等を使った学習支援。保護者が宿題の分量を学校と相談する際の資料を事業所が提供。

→ 同じケース:意向=例05/方針=例13/目標=例23

例33|中2・登校しぶり・放課後等デイサービス

解決すべき課題:日中の大半を自室で過ごし、家族以外との接点がほとんどない状態が続いている。 支援内容:放課後等デイサービス(8日/月、本人の選んだ曜日から開始)。興味のある活動を入り口にし、通所できた日の様子を保護者と共有。

→ 同じケース:意向=例06/方針=例14/目標=例24

例34|高2・卒業移行期・放課後等デイサービス

解決すべき課題:卒業後の進路のイメージを本人・保護者とも持てておらず、選ぶための材料が足りない。 支援内容:放課後等デイサービス(12日/月)で作業活動。相談支援専門員が卒業年度の夏休み中に就労系事業所2か所の見学を調整し、体験の感想を計画の見直しに反映。 本人・保護者の役割:本人は見学のあとに「やってみたい・やりたくない」を自分の言葉で伝える。保護者は見学に同行し、気づいたことを相談支援専門員へ共有する。

→ 同じケース:意向=例07/方針=例15/目標=例25

例35|3歳・医療的ケア児・児童発達支援

解決すべき課題:医療的ケアのため保護者の付き添いが常に必要で、母が休息を取れず、きょうだいとの時間も確保しにくい。 支援内容:児童発達支援(8日/月、看護職員配置あり)。訪問看護(医療保険)と体調情報を共有し、本人が支援者と過ごせる時間を広げながら付き添いなしでの通所へ段階的に移行。

→ 同じケース:意向=例08/方針=例16/目標=例26

例36|小3・知的障害(強い行動が出やすい)・放課後等デイサービス

解決すべき課題:予定の変更で混乱して大きな声が出ることがあり、保護者が外出を控えがちで家庭全体の負担が大きい。 支援内容:放課後等デイサービス(12日/月)。絵カードでの見通し支援と落ち着ける環境の設定を家庭と共有。毎月の送迎時に対応方法を保護者へ伝達。

提出前チェックリスト

計画案を市町村へ出す前に、次の8点を確認してください。

  1. 本人の意向と家族・養育者の意向が区別して書かれているか(様式上は一つの欄。分けて書くと根拠が明確になり、運営指導でも説明しやすい)
  2. 話せない年齢の本人について、観察・推測が「〜の様子」「〜と考えられる」で書かれているか(内心の断定になっていないか)
  3. 短期目標に「誰が・いつまでに・何を」が入り、次のモニタリングで達成を判定できるか
  4. 支給量が「◯日/月」で通所受給者証(支給決定内容)と一致しているか
  5. 通園・通学しているケースで、園・学校・家庭の役割が方針や支援内容のどこかに書かれているか
  6. 課題(ニーズ)欄にサービス名を書いていないか
  7. 居宅介護など障害者総合支援法側のサービスを併用する場合、計画のまとめ方と給付の扱いを市町村に確認したか(移動支援など地域生活支援事業は給付上別枠)
  8. モニタリング期間が通所給付決定で定められた期間と一致しているか

チェックを通したら、最後に本人の言葉が計画に残っているかをもう一度見てください。文例は出発点で、目の前の子どもに合わせて個別化してはじめて「通る計画」になります。


本記事は2026年7月時点の一般的な考え方を基にしています。様式の番号・記入マニュアル・モニタリング期間や併用時の運用は自治体により異なります。実際の記載は、事業所所在地の市町村・都道府県の公式情報をご確認ください。

よくある質問

障害児支援利用計画とサービス等利用計画は何が違う?

根拠となる法律と対象サービスが違います。障害児支援利用計画は児童福祉法に基づく障害児相談支援(障害児支援利用援助・継続障害児支援利用援助)で作成し、対象は児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援(通所受給者証)です。サービス等利用計画は障害者総合支援法に基づく計画相談支援で作成し、対象は居宅介護などの障害福祉サービスです。一方、様式は多くの自治体で大人と共通の1枚(表題に両計画名が併記)を使うため、書式面の違いはほとんどありません。

本人がまだ話せない年齢のとき、意向欄はどう書く?

様式上は「利用者及びその家族の生活に対する意向」という一つの欄で、書き分けが必須と定められているわけではありません。ただ、保護者(祖父母や里親など養育者の場合もあります)の意向と本人の姿を区別して書くと、計画の根拠が明確になり運営指導でも説明しやすくなります。本人が言葉で希望を伝えられない場合は、遊びや表情から読み取れることを「好きな電車の玩具では支援者と視線が合い、笑顔になる様子がある」のように観察として書き、「〜したいと思っている」と内心を断定する書き方は避けてください。

居宅介護や短期入所も使っている児童は、どちらの計画に書く?

居宅介護・短期入所などは児童が使う場合も障害者総合支援法のサービスなので、制度上は計画相談支援(サービス等利用計画)の対象です。国の報酬上の取扱いでは、障害児相談支援の対象となる児童に計画相談支援を行っても給付費を重複して算定することはできず(障害児相談支援給付費の側で算定)、計画の内容は一体的に作成するのが基本とされています。そのうえで、申請や様式の具体的な運用は市町村により異なるため、支給決定を行う市町村の担当課に確認してから作成してください。

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