計画相談支援の流れ|依頼から支給決定・モニタリングまで
計画相談支援の流れを、相談受付からアセスメント・計画案作成・支給決定・サービス担当者会議・モニタリングまで工程別に解説。各段階で誰が何を出すか、期限の目安、つまずきやすい点をまとめました。
担当しているケースが増え、計画案の提出期限が同じ週に重なった。支給決定がなかなか下りず、利用開始日の予定が立てられないと事業所から連絡が来た。セルフプランで暮らしていた家族から、急に「そろそろ相談支援を頼みたい」と電話が入った。計画相談支援の流れは頭に入っていても、案件が重なった瞬間、どこで手を止めていいか分からなくなります。
計画相談支援は、相談受付から始まり、アセスメント、サービス等利用計画案の作成、市町村への提出と支給決定、サービス担当者会議、計画の確定、モニタリングへとつながる工程です。工程自体は共通しています。期限の感覚や必要書類の細部は、自治体ごとに違います。この記事では、各工程で「誰が何を出すか」「期限の目安」「つまずきやすい点」を整理する内容です。全体の見通しを立て直す助けになるはずです。
計画相談支援の全体像|8つの工程を先に俯瞰する
まず全体を俯瞰しましょう。新規で計画相談支援が始まる場合、工程はおおむね次の順で進みます。
| 工程 | 主な動き |
|---|---|
| ①相談受付・契約 | 本人・家族からの相談、重要事項説明、利用契約 |
| ②インテーク | 生活状況の概要把握、希望するサービスの確認 |
| ③アセスメント | 居宅等を訪問し、本人・家族と面接 |
| ④計画案作成・提出 | サービス等利用計画案を作成し、本人へ説明・同意を得て市町村へ提出 |
| ⑤支給決定 | 市町村が計画案を勘案し、支給量・支給期間を決定 |
| ⑥サービス担当者会議 | 各事業所と方針・役割を共有 |
| ⑦計画確定 | サービス等利用計画(本案)を作成し、本人へ説明・同意・交付 |
| ⑧モニタリング | 定期的に居宅等を訪問し、計画を見直す |
②インテークと③アセスメントを一続きの面接で行う事業所もあれば、電話や来所での聞き取りを先に済ませてから訪問日程を決める事業所もあるでしょう。順序の細部は前後します。骨格は変わりません。
支給決定後の流れを個別支援計画との関係で理解したい場合は、サービス等利用計画と個別支援計画の違いで、両者がどうつながるかを確認できます。
障害児が通所支援を利用する場合は、根拠法が児童福祉法に変わり、名称も障害児支援利用計画という呼び方になるのです。工程の骨格は同じなので、この記事の流れはそのまま参考にできます。窓口や様式の呼び方だけ、事業所所在地の市町村で確認しておくと安心です。
相談受付・インテーク|誰が何を出し、何を確認するか
相談は、本人・家族からの直接連絡だけでなく、行政窓口や病院・学校からの紹介、他の相談支援事業所からの引き継ぎなど、入り口がさまざまです。契約前には、重要事項説明書で事業所の役割と個人情報の取り扱いを説明し、同意を得ます。
インテークでは、現在の生活状況の概要、困りごとの見当、希望するサービスの見込み、受給者証の有無を確認します。すでに受給者証があれば支給決定の内容を、初めての申請であれば市町村への申請状況を確認しましょう。この段階で詳しい生活歴まで聞き込む必要はありません。
契約時には、障害者手帳、自立支援医療受給者証、すでに交付されている受給者証の写しなどをそろえてもらいます。手元にすぐない場合もあるでしょう。無理に取り寄せを急がせず、アセスメントまでに確認できれば十分だと伝えておくと、本人・家族の負担が減ります。
つまずきやすいのは、契約を急ぐあまり本人の意思確認が曖昧になる場面です。本人以外の家族や関係機関からの依頼であっても、契約と計画作成の主体は本人だと最初に伝えておきます。そうすれば、後の同意取得で迷いが生じにくいでしょう。
アセスメント|訪問・面接で何を確認するか
アセスメントは、本人の居宅等を訪問し、本人と家族に面接して行います。生活歴、健康状態、住まい、人間関係、日中活動、本人の希望など生活全体を広く聞き取り、支援で解決すべき課題を整理する工程です。
期限は、計画案の提出日から逆算して訪問日を決める事業所が多いようです。初回で終わらせる必要はありません。複数回に分けて聞き取ることも珍しくないのです。関係づくりを優先しながら進める方が、結果として本人の言葉を多く残せるでしょう。
つまずきやすいのは、本人が話したがらない場面と、家族の意向が前面に出て本人の意思が埋もれる場面です。聞き取りの具体的な項目と進め方は、計画相談のアセスメントシートの書き方で詳しく解説しています。
面接で聞き取った内容は、その場でメモを取りながら、本人の言葉をできるだけそのまま残します。感覚や解釈を先に書き込むと、後で読み返したときに事実と見立てが混ざるので注意が必要です。整理の仕方は、ニーズ整理表の記入例と書き方で詳しく解説しています。
サービス等利用計画案の作成と提出|期限の目安とつまずきやすい点
アセスメントで集めた情報をもとに、サービス等利用計画案を作成します。本人の意向、解決すべき課題、支援目標、サービスの種類・内容・量を整理し、本人へ説明して同意を得たうえで市町村に提出しましょう。
提出期限は、支給決定を待って利用を開始したい日から逆算し、市町村の標準処理期間や窓口の混雑状況を踏まえて決まります。全国一律の日数はありません。余裕を持って早めに提出できるよう、アセスメントの日程から逆算してスケジュールを組む事業所が多いようです。
つまずきやすいのは、本人の希望とサービスの組み合わせが先に決まり、支援の必要性を説明する根拠が薄いまま提出してしまうケースです。各欄の書き方の型と文例は、サービス等利用計画の書き方・文例100事例にまとめています。
提出後、市町村から記載内容について確認や修正を求められることもあります。連絡が来たら早めに対応しましょう。修正の理由も記録に残しておくと、次回以降の作成に活かせます。
支給決定とサービス担当者会議|計画案から計画確定まで
市町村は、提出された計画案の内容を勘案し、必要に応じて障害支援区分の認定調査などを経たうえで支給決定を行う流れです。支給決定通知と受給者証が交付されれば、決定された支給量の範囲でサービスを利用できます。
障害支援区分の認定調査が必要なサービスを希望する場合、調査や審査会の日程が加わる分、決定までの期間はやや長くなる傾向があります。区分認定が不要なサービスだけを希望する場合は、プロセスが短くなることもあるでしょう。どちらに該当するかは、市町村の窓口で早めに確認しておくと、計画が立てやすくなります。
支給決定後は、利用予定のサービス事業所と契約し、サービス担当者会議を開いて各事業所と方針・役割を共有しましょう。この会議で示す総合的な援助の方針が曖昧だと、各事業所が作る個別支援計画もばらつきやすくなります。会議前に方針を言葉にしておくことが欠かせません。後回しにしないでください。
つまずきやすいのは、支給決定が想定より遅れ、利用開始日の調整が必要になる場面です。事業所側にも早めに状況を共有しましょう。開始日の前提を固定しすぎなければ、調整の負担は軽くなります。
会議に招集するのは、利用予定の各サービス事業所の担当者に加え、本人・家族です。日程調整が難しいときは、全員そろう回だけを待たず、個別に方針を伝えたうえで議事録を共有する運用も選べます。誰が欠席したかと、後日どう補ったかを記録に残しておくと、運営指導でも説明しやすいでしょう。
モニタリングの周期と初回以降の流れ
計画確定後、サービス担当者会議での共有を踏まえてサービス等利用計画(本案)を作成し、本人へ説明・同意・交付してサービス利用が始まります。開始後は、市町村が利用者ごとに定めるモニタリング期間に沿って、定期的に居宅等を訪問しましょう。
モニタリングでは、サービス提供の状況、本人の生活の変化、支援目標の達成度を確認し、必要であれば計画を変更します。初回のモニタリング時期は、支給決定の内容や自治体の運用で示されるものです。計画確定時にあわせて確認しておきましょう。見落としを防げます。報告書の項目ごとの書き方は、障害者のモニタリングの書き方で手順を解説しています。
自治体差とつまずきを防ぐための確認ポイント
ここまでの工程は、多くの自治体で共通する骨格です。一方で、様式、提出方法、標準処理期間の考え方、モニタリング期間の設定は自治体ごとに異なります。本記事の期限の目安は一般的な傾向にとどまるので、実際の運用は事業所所在地の市町村の窓口や手引きで確認してください。
案件が重なって見通しが立たなくなったときは、工程ごとに「誰が何を出す番か」を一つずつ確かめてみましょう。止まっている箇所が、案外すぐに見つかります。急いで次の工程へ進めるより、本人への説明と同意が抜けていないかをその都度立ち止まって確かめる方が、結果的に手戻りは少なくなるはずです。
複数のケースを並行して担当しているときは、利用者ごとに「今どの工程にいるか」を一覧できるメモを持っておくと、締切の重なりに早く気づけます。工程の呼び方はどの様式でも共通しているので、事業所独自の管理表に置き換えても使いやすいはずです。
よくある質問
計画相談支援とはどんな制度ですか?
障害福祉サービスを利用する人が、地域で望む生活を送るために必要な支援を組み合わせる計画(サービス等利用計画)を、指定特定相談支援事業者の相談支援専門員が作成し、その後のモニタリングも継続して行う支援です。市町村は支給決定にあたって計画案の提出を求め、内容を勘案して支給量などを決めます。
相談受付から支給決定まで、どれくらいの期間を見ておけばよいですか?
標準処理期間の考え方は自治体によって異なり、混雑状況や必要な調査の有無でも変わります。全国一律の日数を前提にせず、事業所所在地の市町村へ、案件ごとに見込みを確認しながら動くのが実務的です。余裕を持って動くほど、支給決定の遅れが利用開始日に響きにくくなります。
計画相談員という言葉と相談支援専門員は同じですか?
現場では計画相談を担当する相談支援専門員を「計画相談員」と呼ぶことがありますが、資格や制度上の正式名称ではありません。指定特定相談支援事業者に配置され、サービス等利用計画の作成とモニタリングを担う専門職は、制度上は相談支援専門員です。